症例報告
変形性膝関節症の症例報告

70代 男性 シルバー人材派遣
来院の動機
当院来店前に整形外科にて変形性膝関節症と診断されるも湿布のみ対応で不信を覚え当院へ来店となる。
初期症状
独歩にて右足をすり足しながら痛そうな表情で来店される。状態として右膝周囲の熱感や浮腫が見受けられ、膝が完全に伸びきっていない状態。
立日保持は膝が曲がったままの状態で、歩行では膝に痛みが走るため、踵を設置しながら歩行ができない状態。
問診・検査
問診にて、3年前程から立ち上がり、歩行時にて右膝に痛みが走ることがあり、市販の痛み止めで日常生活を送っていたとのこと。ここ最近、派遣の仕事中に右膝に激痛を走ることがあり、整形外科を受診したとのこと。
レントゲン上では特に問題はなく、痛み止めの処方はなく湿布のみ処方され経過を追っていたとのこと。数ヶ月経過しても一向に痛みが改善されていない状態だったと訴えが聞かれる。
検査にて、膝の痛みで股関節から膝周囲の筋肉の緊張が高く、膝蓋骨の動きが制限され完全に膝が伸びきっていない状態。膝の内側の筋肉(内転筋、内側ハムストリングス)の筋力低下を認め、膝の外側の筋肉(大腿筋膜張筋、外側広筋)の硬さが著名。
右膝を曲げる際の関節可動域制限が見受けられ、股関節周囲、大腿部前面から膝蓋骨内側に痛みの訴えが聞かれる。
治療経過
初回治療において、仰向けでの膝の伸展(膝が伸びきる)獲得と歩行時の膝の痛み緩和を目的として、膝の外側の筋肉(大腿筋膜張筋、外側広筋)の緊張を柔らげ、膝の内側の筋肉(内転筋、内側ハムストリングス)の筋力向上を図ることで、仰向けの状態で膝を伸ばすことが可能となる。
まだ恐怖心で歩行時の右足で踵をつけて歩くことは難しかったですが、独歩時の膝の痛みが緩和される。また、内転筋、内側ハムストリングスの筋肉の変わりとなるテーピングを処方することで、更に膝の痛みが緩和される。帰られる際に熱感を伴っている膝に対して、アイシングの方法を教える。
数日後、来店される際は、膝の痛みはまだ完全に改善していない状態でしたが、以前と比べるとかなり痛みが落ち着いているとの訴えが聞かれる。
ここから本格的な治療を施し、問題となっている筋肉のセルフケア、歩き方を指導。翌週、3回目来店された際には、問題となっている膝の内側の筋肉(内転筋、内側ハムストリングス)の筋力向上を認め、日常生活を過ごす上では問題にならない状態になっている。
※写真では3回目の施術前後であるため、あまり大きな変化は見受けられていないが、初回時に施術前後の写真を撮っておけば良かったと少し後悔している。
院長コメント
今回、整形外科で変形性膝関節症と診断され、湿布のみの処方は行われたが、ご来店されているほとんどの方が適切な指導を受けていないため、早期に問題となっている箇所に適切な指導が必要と常に強く感じています。
変形性膝関節症は女性に多く見受けられ、高齢になればなるほど罹患率は高くなる疾患です。初期症状では立ち上がりや歩き始めなどの動作開始時のみに痛みが走り、休憩を挟むと痛みが徐々に取れます。
次第に正座や階段の昇り降りが困難となり、進行が進むと安静時にも痛みが取れず、変形が目立つようになり、膝が完全に伸びきらず、歩行すらままならない状態になってきます。原因は関節軟骨の老化によることが多く、弾力性を失い、使い過ぎによりすり減ってしまい、関節の変形になることが多いです。
当院は身体の施術やセルフケアの指導だけではなく、我々の身体は食べたものや飲んでいるものでできているため、どんな日常生活を送っているか、必ずカウンセリングにてヒアリングさせていただいております。
※個人の感想であり、成果や成功を保証するものではありません。