症例報告
右側股関節と膝の痛みの症例報告

40代 女性 OL
来院の動機
当院来店前に整形外科を受診するも正式な診断はされず、湿布と痛み止めを処方されたものの、痛みが変わらず当院来店される。
初期症状
独歩にて右足を引きずりながら来店される。状態として、股関節や膝周囲の筋肉の緊張が高く、股関節屈曲(股関節を引き上げる)、膝屈曲(膝を曲げる)制限を認める。
立位保持は特に問題は見受けられなかったが、歩行時、特に段差を乗り上げる際に痛みが誘発される。
問診・検査
問診にて、半年前から股関節の痛みは少なからずあったものの、膝の痛みはなかったとのこと。約1ヶ月前から階段を登る際に膝に痛みが現れるようになり、1週間前に痛みがかなり激しくなったことで整形外科を受診される。
検査にて、腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)の緊張が高く、股関節屈曲(股関節を引き上げる)、内旋(股関節を内側に回旋させる)制限を認め、大腿骨の内側に付着する筋肉(内転筋、内側ハムストリングス)の筋力低下を認める。
また、大腿直筋(膝を伸ばす筋肉)、縫工筋(股関節を引き上げるなど)、大腿筋膜張筋(股関節を引き上げるなど)の緊張が著名。特に、縫工筋をストレッチすると膝関節に痛みの訴えが聞かれる。
治療経過
初回治療において、段差昇降時の痛みの解消を目的として、右側の腸腰筋、大体直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋の緊張を柔らげ、大腿骨の内側の付着する筋肉(内転筋、内側ハムストリングス)の関節・筋力トレーニングを図ることで、股関節内旋時の膝の痛みが解消される。
1回目の施術後、歩行時や段差での股関節や膝の痛みはないような状態まで解消。数日後、来店される際は痛みはなく違和感が残っている程度の訴えが聞かれた。ここから本格的な治療を施し、問題となっている筋肉や関節のセルフケア、日常生活を送る上で大切なことを指導。
3回目来店された際には、まだ若干違和感は残っていましたが、日常生活を過ごす上では問題はない状態にまで回復している。引き続き、フォローをしていく。
院長コメント
今回、整形外科を受診したものの、湿布や痛み止めの処方のみ行われたが、問題となっている痛みが改善されず、適切な指導がとても大切だと強く感じました。
今回、股関節と膝の痛みでご来店されましたが、幸いなことに股関節の変形までは進行されていない状態でした。
変形性股関節症や股関節の痛みは、中高年の女性に圧倒的に多く、臼蓋形成不全といった先天性(生まれつき)や股関節のクッションの役目を果たしている軟骨の摩耗(まもう:すり減る)などにより、骨盤の臼蓋(股関節の受け皿のような部分)と大腿骨の骨頭(先端が丸くなった骨)が変形することで、痛みや動かしづらさ、両足の長さの違いなどが引き起こってしまいます。また、股関節と膝関節の痛みはかなり関連性が強いです。
その理由としては、膝関節に付着する筋肉ですが、縫工筋、大体直筋、大腿筋膜張筋は股関節を跨(また)いで付着する筋肉のため、股関節の痛みがいつの間にか、膝の痛みに繋がっているケースがほとんどです。当院は身体の施術やセルフケアの指導だけではなく、我々の身体は食べたものや飲んでいるものでできているため、どんな日常生活を送っているか、必ずカウンセリングにてヒアリングさせていただいております。
※個人の感想であり、成果や成功を保証するものではありません。