症例報告
変形性膝関節症の症例報告

60代 女性 工場勤務
来院の動機
当院来店前に整形外科にて変形性膝関節症と診断された後、リハビリに通っていたが一向に改善されず当院へご来店される。
初期症状
独歩にて左足を庇うような歩き方をされており、表情はとても痛そうに来店される。状態として左膝周囲の熱感や浮腫が見受けられ、膝が完全に伸びきっていない状態。
立位保持は膝が曲がったままの状態で、膝の痛みで左足を完全に伸びきることができない状態。また、歩行でも膝に痛みが走るため、膝が伸びきらず爪先に体重が乗っている状態。
問診・検査
問診にて、約1年程から立ちしゃがみや歩行時にて左膝に痛みを覚え、市販の痛み止めや湿布で生活を過ごされていたとのこと。ここ最近、工場での勤務中にて左膝がかなり痛くなることがあるため、自宅近くの整形外科を受診したとのこと。
レントゲン上では特に問題はなく、痛み止めや湿布を処方され、週に1回リハビリをされていたとのこと。数ヶ月経過しても一向に左膝の痛みが改善されていない状態だったのこと。
検査にて、膝の痛みで股関節から膝周囲の筋肉の緊張が高く、膝蓋骨の動きが制限され完全に膝が伸びきっていない状態。膝の内側の筋肉(内転筋、内側ハムストリングス)の筋力低下を認め、膝の外側の筋肉(大腿筋膜張筋、長慶靭帯、外側広筋)や膝裏の膝窩筋の筋肉の硬さが著名。
また、右膝を曲げる際の関節可動域制限が見受けられ、股関節周囲、大腿部前面から膝蓋骨内側に痛みの訴えが聞かれる。
治療経過
初回治療において、仰向けの状態で、膝の伸展(膝が伸びきる)獲得とたちしゃがみや歩行時の膝の痛み改善を目的として、膝の外側の筋肉(大腿筋膜張筋、外側広筋)や膝裏の膝窩筋の緊張を柔らげ、膝の内側の筋肉(内転筋、内側ハムストリングス)の筋力向上を図ることで、仰向けの状態で膝を伸ばすことが可能となる。
まだ歩行時の重心が爪先よりから中央まで移行することができたが、まだ重心は前方にある状態。しかし、たちしゃがみや独歩時の膝の痛みは緩和され、歩行スピードも向上を認める。また、内転筋、内側ハムストリングスの筋肉の変わりとなるテーピングを処方することで、更に膝の痛みが緩和される。
帰られる際に熱感を伴っている膝に対して、アイシングの方法を教える。数日後、来店される際は、膝の痛みは1/3まで回復されており、以前と比べるとかなり仕事がしやすくなっているとの訴えが聞かれる。
ここから本格的な治療を施し、問題となっている筋肉のセルフケア、歩き方を指導。翌週、3回目来店された際には、問題となっている膝の内側の筋肉(内転筋、内側ハムストリングス)の筋力向上を認め、日常生活や仕事中において膝の痛みが気にならない状態になっている。
院長コメント
今回、整形外科で変形性膝関節症と診断されリハビリを数ヶ月行われていましたが、ほとんどの方が適切な治療および指導を受けていないため、早期に問題となっている箇所に適切な治療と指導が必要だと思われます。
変形性膝関節症は女性に多く見受けられ、高齢になればなるほど罹患率は高くなる疾患です。初期症状では立ち上がりや歩き始めなどの動作開始時のみに痛みが走り、休憩を挟むと痛みが徐々に取れます。
次第に正座や階段の昇り降りが困難となり、進行が進むと安静時にも痛みが取れず、変形が目立つようになり、膝が完全に伸びきらず、歩行すらままならない状態になってきます。原因は関節軟骨の老化によることが多く、弾力性を失い、使い過ぎによりすり減ってしまい、関節の変形になることが多いです。
当院は身体の施術やセルフケアの指導だけではなく、我々の身体は食べたものや飲んでいるものでできているため、どんな日常生活を送っているか、必ずカウンセリングにてヒアリングさせていただいております。
※個人の感想であり、成果や成功を保証するものではありません。