来院の動機

当院来店時にて整形外科や病院は受診せず痛みを訴えご来店される。

初期症状

独歩にてご来店される。状態として前方、後方へ身体を倒すものの、これといった大きな問題は見受けられない。

立ち上がりや立位保持に関しても著名な症状は見受けられないが、仕事中にて長く座り続けると、左側のお尻の痛みとしびれ、そして腹部の熱感の訴えが聞かれた。症状に不安を覚え、内科や整形外科を受診するも正式な診断はされていない状況。

問診・検査

問診にて、過去に今回の症状はなかったとのこと。症状が出現するのは仕事にて長時間座っている際のみ現れ、日常生活を過ごす上では症状は現れないとのこと。日常生活では水分はコーヒーが主で水のみの摂取がかなり少ない状態。

また、ここ最近、仕事のストレスがありイライラすることが多いとの訴えも聞かれる。ベッド上仰向けにて検査を開始。左側の腸腰筋（ちょうようきん）、多裂筋（たれつきん）、梨状筋（りじょうきん）の筋肉の緊張を認め、梨状筋が圧迫されることによる坐骨神経痛の疑いが著名。また、大臀筋（だいでんきん）の筋力低下を認める。

治療経過

初回治療において、左側のお尻の痛みとしびれ、腹部の熱感の軽減を目的として、左側の腸腰筋、多裂筋、梨状筋の筋肉の緊張を柔らげることで、座る際の左側のお尻の痛みとしびれは解消されるも、左側の腹部の熱感は残存している状況。

また、自律神経系の問題も視野に入れ、頭部の調整を行い脳脊髄液（のうせきずいえき）の循環を促し、副交感神経優位にすることで、腹部の熱感はかなり激減される。数週間後にご来店された際には左側のお尻の痛みとしびれ、腹部の熱感は気にならない程度まで回復している。

院長コメント

今回、左側のお尻の痛みとしびれ、腹部の熱感を訴えていましたが、内科や整形外科では正式な診断名はありませんでした。

２０代と年齢も若いですが、仕事のストレスと長時間座ることで痛みやしびれ、腹部の熱感が併され、交感神経が有意となり自律神経系の問題が生じていると予測し初回施術介入をしました。自律神経は内臓の働きや代謝、体温などの機能をコントロールするために、私たちの意思とは関係なく、２４時間働き続けています。

昼間や活動をしている時に活発になる交換神経と、夜間やリラックスしている時に活発になる副交感神経の２種類があり、この２種類の神経がどう作用するかによって、心や身体の調子は変わる。交換神経が強く働くと、血圧が上がり、瞳孔が拡大して心と身体が興奮状態になる。一方、副交感神経が優位に働けば、血圧は下がり心拍数の減少が見られ、瞳孔が収縮し心と身体が休んでいる状態になります。

この症例は体重に見合った水分が足りず、内臓、特に腎臓の疲労が見受けられた。腎臓の機能として、血液を濾過（ろか）し毒素や老廃物を尿として排泄する機能が備わっている。また、腎臓は腰痛に関連する、大腰筋（だいようきん）、腹横筋（ふくおうきん）、腰方形筋（ようほうけいきん）といった腎筋膜性（じんきんまくせい）の腰痛になることがあります。

人の身体は60〜70%近く水でできています。また筋肉の80%は水分でできていますので、体重に見合った水分が少なくなると、必然的に代謝が落ち、血流低下を招き、筋肉に十分な酸素を取り込めなくなるため、筋肉が硬くなってしまい、ふとした際に硬くなった筋肉が骨（腰椎）を引っ張るため、腰の痛みを引き起こします。

そこから酷くなれば腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を引き起こし、坐骨神経痛へ移行し症状の悪化へ繋がります。当院は身体の施術やセルフケアの指導だけではなく、我々の身体は食べたものや飲んでいるものでできているため、どんな日常生活を送っているか、必ずカウンセリングにてヒアリングさせていただいております。