来院の動機

当院ご来店前に整形外科を受診されるも特に診断はされず、湿布と痛み止めのみ処方される。当院ご来店前に整骨院や整体へ通っていたが、痛みがすぐに元に戻ってしまい一向に改善されないことで当院へご来店される。

初期症状

独歩にてご来店。お身体の状態として右側の股関節を屈曲（股関節を上方へ挙上）すると股関節の付け根に痛みが誘発され、関節可動域制限が認められる。

また、歩行時にも痛みが誘発されるが、特に階段を登る際に股関節の付け根と膝に痛みが伴い、右側の腰の痛みも誘発されることがある状態。

問診・検査

問診にて、過去に繰り返す股関節の痛みはなかったものの、ここ数ヶ月前から、ジムで走ったり、階段を登る際に股関節の付け根と膝に痛みが引きこることが多々あるとのこと。ベッド上にて仰向けにて検査を開始。

右側の腸腰筋、多裂筋、大腿筋膜張筋、縫工筋、薄筋、大腿直筋、半腱様筋、大腿二頭筋の筋肉の緊張を認め、股関節屈曲時にて股関節の付け根に激痛が走る状態。それに伴い防御的に足首の固定性を強める。（図上面参照）

また膝蓋骨の動きに制限はないものの、仰向けにて膝が完全に伸びきっていない状態。また、筋力検査にて内転筋、内側ハムストリングスの筋力低下が著名。

治療経過

初回治療において、股関節屈曲時の可動域拡大と階段を登る際の股関節と膝の痛みの改善を目的として、右側の腸腰筋、多裂筋、大腿筋膜張筋の筋肉の緊張を柔らげることで、股関節屈曲の可動域向上を認め、股関節の付け根の痛みも消失されるが、まだ膝の痛みと完全に伸びきっていない状態。

そこで、縫工筋、薄筋、大腿直筋、半腱様筋、大腿二頭筋の筋肉の緊張を柔らげることで、膝の痛みと膝が完全に伸びきることができた。こから本格的な治療を施し、問題となっている筋肉のセルフケアを指導。

翌週、ご来店される際には股関節の付け根の痛みと膝の痛みは解消されているものの、まだ股関節の付け根の違和感は残存しているが、日常生活では気にならない程度まで回復している。

院長コメント

今回、整形外科にて正式な診断は受けなかったものの、このまま放置し続けると変形性股関節症へ移行するケースもあると見受けられました。

今回のケースでは股関節の付け根の痛みに伴う関節可動域制限だけではなく、膝の痛みも誘発されていた。実は股関節と膝はかなり筋肉の関連性が深く、きっても切り離せない。股関節の痛みを放っておくと、必ずと言っていいほど、膝の痛みが誘発されるケースが多くあります。

その理由として、鵞足（がそく）と呼ばれる膝の内側の関節から３〜５cm下あたりの膝の内側からふとももや股関節に付着している縫工筋（ほうこうきん）、薄筋（はっきん）、半腱様筋（はんけんようきん）という３つの筋肉の腱が何かしらの原因で硬くなってしまうことで、股関節周囲の筋肉を動かすことで、特に膝の内側から股関節に付着している縫工筋という筋肉が上方へ引っ張られるため、膝の痛みが誘発されることが多いです。

このケースは体重に見合った水の摂取が非常に少ない。実は筋肉の８０％は水でできていますので、水を飲まないと筋肉が硬くなり、その状態で筋肉をストレッチしたり、揉みほぐしたりしても、残念ながらすぐに元の状態に戻ってしまいます。

また水を飲むことで代謝力を高めることが可能で、水分摂取が足りないと、必然的に代謝力が低下し、体温の低下や血流の低下を招きます。

当院は身体の施術やセルフケアの指導だけではなく、我々の身体は食べたものや飲んでいるものでできているため、どんな日常生活を送っているか、当院では必ずカウンセリングにてヒアリングさせていただき症状改善に全力で向き合っております。